「がんばるのに少し疲れた」そんな時に読む、おすすめ漫画。
仕事でミスをした残業帰りや、何もかもうまくいかなかった1日の終わりに、コンビニで買った缶チューハイと共に帰宅して部屋のドアを開けると、無意識に「疲れた」と言葉が零れてしまう。なんだか、これ以上がんばれない気がしてしまう。
人生、そんな時期もありますよね。
疲れてしまった時は同僚や友人と飲みに行ったりするのもストレス発散になると思いますが、私は漫画や小説、映画など、物語に触れるようにしています。
すぐに元気いっぱいになる、というストレス発散方法ではないのですが、心に響く物語は、じわじわと気力が戻ってきて、戻った元気が長続きするような気がするのです。もともと、物語が好きだからかもしれません。
「いろいろあるけど、まだ頑張れるかな」
読んでいると、そんな風に思えるようになる漫画作品を、4つ選んでみました。
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①おかざき真里『サプリ』 全10巻
主人公は広告代理店で働く、27歳女性のミナミ。ドラマ化されたこともあるようなので、そちらで知っている方もいるかもしれません。ドラマ版は伊東美咲さんが主人公を演じていました。
代理店は激務とよく言われていますが、実際に代理店を経験しているおかざき真里さんの描く激務っぷりはリアリティがあります(笑)今だったら賛否両論ありそうな働き方です。
この作品に励まされるのは、決して器用ではない主人公がプライベートだけでも仕事だけでもなく、両方に、またそのバランスに悩んでいるところ。特に、主人公が「仕事とは何か」に悩んでいるときは、私自身も同じようなことに悩んでいたのもあって、かなり感情移入しました。
人生って仕事だけでもないし、プライベートだけでもないですよね。でも、『ワークライフバランス』なんてものは言葉でいうほど簡単ではないものです。失敗すれば臆病にもなります。そんな主人公の等身大な姿に共感できました。
また、ちょっとマニアックな話になるのですが、この漫画は装丁もすごく好きです。
おかざき真里さんの絵自体も好きなのですが、表紙は色使いも合わさってアート作品みたいに綺麗なんです。ぜひ紙の本で見ていただきたい。
言葉回しもすてきで、良いセリフも多くちりばめられているので、ふと疲れた時に「あのページのあの部分を読みたい」と思わせてくれる作品です。
②羽海野チカ『ハチミツとクローバー』 全10巻
言わずと知れた、美術大学を舞台にした青春漫画。だいすきすぎて何度も何度も読み返しています。
恋愛漫画、と片付けてしまうには、いろいろなものが描かれていて、登場人物のそれぞれの苦悩にそれぞれ共感してしまいます。キラキラしている大学生活!という話だけではないところがよいです。美大が舞台ではありますが、どの登場人物のストーリーも美大以外の大学生にも覚えがある内容かと。
なんといっても、私は竹本が自分探しに出るストーリーがだいすきです。
就職活動の時期って、朝井リョウさんの『何者』という小説のタイトルにもなったように、「自分は何者なのか」「自分は何を目指していて、何が成し遂げたいのか」ということをしんどいほど考えることになると思います。正直、私はその感覚がとても苦しいと思っていました。
目的地がないままどこかにたどり着きたいともがく竹本の姿は、そのときの自分を思い起こされて、彼がやりたいことを見つけた時には自分のことのように嬉しくなり、励まされるのです。
③魚喃キリコ『ストロベリーショートケイクス』 全1巻
Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)
- 作者: 魚喃キリコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: コミック
- 購入: 8人 クリック: 68回
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以下、Amazonの作品紹介より引用。
あたしの心が安らかでありますように__。
魚喃キリコ待望の最新作
傑作ガールズストーリー
過食症のイラストレーター…塔子
自分の居場所を求める事務OL…ちひろ
恋の訪れを待つフリーター…里子
仕事を隠して愛しい男に会いにいくホテトル嬢…秋代
みんな あなたのまわりにいる女の子です__。
この作品はガールズストーリーという言葉がぴったり。4人の女の子たちの、オムニバス形式のお話です。2002年の作品なので、もう最新作ではないけれども!
「人を好きになる」ということはきらきらした感情だけじゃなくて、ときにひどく苦しく、しんどいこともある。それは恋愛に限らず友情でも。
主なストーリーは恋愛を中心にしているのですが、私はこの漫画を読むと恋愛関係だけじゃない人間関係の複雑さをいつも感じます。恋に悩んでも、仕事でバランスを崩しても、なんとなく何か足りないと感じても、みんなどこかで、自分の心と身体を保とうともがいているんだな、と思います。
正直、ハッピーエンドかと聞かれると少し悩んでしまう作品なのですが、読んだ後はすっきりした気分になれる不思議な漫画です。
④小川彌生『きみはペット』 全14巻
こちらの『きみはペット』も、以前小雪さんと松本潤さんでドラマ化されたことがあるので、そちらでご存知の方もいるかも。
新聞社の記者として働くバリキャリの澄麗(スミレ)が主人公です。そんな主人公が、ある日家の前で行き倒れていた男の子を拾って飼い始める(!?)というあらすじだけだととんでもないストーリーです。今回あげた中では、もっともコミカルで、良い意味で漫画らしい漫画だと思います。
ストーリーの奇抜さがはじめは目を引きますが、読み進めていくとただコミカルなレディースコミックな訳ではなく、飼い主とペットという不思議な関係を通して、主人公も男の子も人間的に成長していく物語だと感じられました。
特に主人公の澄麗は不器用で独りで頑張りすぎるところから、物語を通して少しずつ周りとの関わり方を学んでいくのです。その姿が人間くさくて、奇抜なストーリーも一気に身近なものに感じました。
特に物語のクライマックスに向けて、主人公はしあわせのために大きな決断をします。その決断が、物語のはじめの頃の主人公であれば絶対に選ばなかったもので、でも他の誰にとっての幸せでもなく自分のしあわせのための選択ができたことに胸が熱くなります。
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私が何度も何度も、疲れた時や落ち込んだ時、またそうじゃない時にも読んでいる漫画を4つ、ご紹介させていただきました。
残念ながらストロベリーショートケイクスだけはKindleで売っていないのですが、他の3つはKindleで購入できます。気になった方は読んでみてください!
ちなみに今年の初めベルギーに行ったのですが、『きみはペット』で出てきたセルクラースとホテルアミーゴをぷちロケ地巡りしてきました!
ブリュッセルについてから、「そういえばロケ地があるじゃん」と思って訪れたのですが、セルクラースは観光地としても人気のようでした。ベルギーは街並みの綺麗で料理もお酒もおいしかったので、おすすめの旅先です。ほかにも、Instagramの方でベルギー旅行の写真をアップしているのでよかったら見てみてください。